ご挨拶

 Mate2024は最新の情報交換や活発な議論を行うためにパシフィコ横浜での対面形式での開催とし、4年ぶりにポスターセッションを再開しております。また、本シンポジウムは皆様のご協力の下、30回目という一つの節目を迎えることができました。感謝申し上げます。この30年間を振り返りますと、日本の半導体産業は世界対応で成長しつつも、大きな変革の中での厳しいものでもありました。一方、Mateは国内最大規模のマイクロ接合・実装関連の学術会議として定着しており、今後とも最新の情報発信を行うとともにお互いに議論および情報交換をする場を提供し、次の時代の技術を先取りできる充実した内容としていきたいと思います。
 さて、日本のエレクトロニクス産業においては、IoT・AIによる生産性や品質の向上から超高速・大容量情報(5G)の活用による自動運転や遠隔医療等まで社会全体に影響を及ぼす技術が加速度的に進んでいます。さらに、近年では対話型AIが大きな話題とともに社会の中に浸透してきており、高速で並列処理が得意なGPGPUのニーズが増大しています。
 一方、地球温暖化防止のため、脱炭素化に向けて技術革新が進んでいます。COP28におきまして、日本は残念な賞を頂いておりますが、世界規模でカーボンニュートラルへの取り組みはさらに加速していくものと思われます。
 これらの技術やシステムのコアとなるマイクロ接合・実装技術について、今まで以上の変革と総合力によって、世界の技術をリードしていきたいと思います。
 今回は、「エレクトロニクス産業を支える新たな価値創造」をメインテーマとし、プレナリーセッションを含め100件のマイクロ接合・実装技術の最新技術や動向について発表が行われます。プレナリーセッションでは、早稲田大学の川原田洋氏、インテル株式会社の富田至洋氏をお招きして、次世代につなぐテクノロジーについて、それぞれの視点からご講演をいただきます。今後のエレクトロニクス産業や社会を考える機会、研究開発の手がかりとしていただければ幸いです。
 最後になりましたが、本シンポジウムの開催にあたり、ご支援・ご協力をいただいた組織委員、実行委員、事務局の各位、ならびに共催団体各位に謝意を表するとともに、論文をご投稿いただいた皆様に御礼申し上げます。

Mate 2024 組織委員会
委員長 加柴 良裕